ゴルフでショットの距離感を安定させるには、インパクトゾーンを長くすることが重要です。
インパクトゾーンとは、クラブヘッドが最高のスピードを保ち続ける領域のことです。この領域を長くすれば、スイートエリアが広がり、より直進性の高いボールが打ちやすくなります。
インパクトゾーンを長くするには、腰の回転による引いて引くクラブの使い方や、シャローなスイングプレーンによるアタックアングルの適正化、ヘッドスピードの増幅、シャフトのしなり戻りのタイミングなど、ゴルフスイングに必要な要素を改善することができます。
本記事では、具体的なドリルを交えながら、インパクトゾーンを最大化する方法を解説します。
インパクトゾーンとは?
ゴルフ上達の秘訣
インパクトゾーンとは、クラブヘッドが最高のスピードを保ち続けられる一定の領域を指します。この領域が短いと、クラブヘッドのスピードが一時的にしか保たれず、ボールがしっかり捕まえきれませんし、ゴルフの最大の特徴であるライへの対応力が身につきません。
ライが悪い場合には、ラフ・角度のついたライ・ディポット跡や芝が薄く地面が硬いライなどでは、完璧なインパクトは難しいため、それこそゾーンで球を拾って、真っ直ぐに打ち出せるインパクトゾーンがなおさら必要です。
インパクトゾーンが長ければ、スイートエリアが広がり、打点のブレにも強くなります。つまり、直進性の高いボールが長いインパクトゾーンに比例して打ちやすくなり、飛距離のコンスタントさ、つまりスピン量やキャリーに影響する弾道の高さも適正になります。
プロから上級者まで、インパクトゾーンを長くすることは、飛距離とコンスタントさを両立する上で重要なポイントになります。
引いて引くスイングの効能1、体重移動でインパクトゾーンが長くなる!
適切な体重移動は、腰の回転による引いて引くテイクバックの始動からのスイングにより最適化されますが、それをマスターすることがインパクトゾーンを長くするための基本です。
腰を回すと言っても、ひょいと回すのではなく、腹圧を入れて、右足に体重を乗せて、体の捻転を絞り上げるように回すと、体のメカニズム上、腰も同調して回ることになります。
ですので、人によっては、肩を回す、腹圧でねじりあげる、右足を踏ん張るなどの表現の方が分かりやすいかもしれませんが、腰を回すことを意識することで、体が横に流れなくなります。
ですが、気軽にひょいと回す人は、捻転の力が逃げてしまい、緩んで力が溜まらない、意味のないテークバックになります。
ドリルとしては、アドレスの段階で:
- 息を吐きだして腹圧を入れる。
- 右足を踏み込むように体重をかける。
- テークバックは低く長く引く。
ゆらゆらとゴルフクラブを前後に振ることで、自然と体重移動を感じることができます。
詳細は、TASKGOLFさんを参照してくださいね。
ビデオでも詳しく語られていますが、この時にスイングがフラットやアップライトになる場合には、
- 腰が回っていない
- 肩が回っていない
- 手でテイクバックを行っている
- グリップが身体の前から外れて、クラブの重心管理ができていない
このようなスムーズな体重移動が結果的にできれば、インパクトゾーンを最大化できます。
最初は練習を重ねる必要がありますが、慣れてくれば常にグリップが身体の前にあるように体を自然と回転するリズムが馴染んでいきます。
引いて引くスイングの効能2、ハンドファーストを維持する!
インパクトゾーンを長くするためには、正しい流れでハンドファーストが維持され続けることも重要です。
これを無理やり手首だけ掌屈させてハンドファーストの形だけを真似ようと思っても、全体のエネルギーがインパクトに向かっていないので、シャフトのしなりからの強烈なしなり戻りの恩恵を受けることなく、ドロップ玉や低い弾道、またはトップのような当たり損ねのショットになるだけです。
スローモーション映像を見ると、多くのプロがインパクトに向かってリリースする段階で、ハンドファーストの形でインパクト迎えていることが分かります。
これはダウンスイング時に、左サイドが下方に引っ張る動きを行っているために、自然と左手首が掌屈し、インパクトの瞬間に右手を無意識に押すような動きになっているため、自然とハンドファーストになります。
この動きを意識するためには、事前のダウンスイング時に左サイドを下方に引っ張るように始動する必要があり、左腰のマイクロ始動から始めて、左サイド全体が連動するようにする必要があります。
それを行うと自然と左手首が掌屈し、インサイドからヘッドが前に動くようになり、自然なハンドファーストになります。
その結果、ダウンスイングがシャローになり、自然とインパクトゾーンが長く、クラブフェース面のアクティブロフトが立ちぎみにインパクトを迎え、飛距離もアップするようになっていきます。
シャフトの蹴り出し(しなり戻し)のタイミング
シャフトが適切に蹴り出せるタイミングを合わせることも、インパクトゾーンを長くするための必須事項です。
タイミングが合わないと適切にヘッドの開閉が戻らず、シャフトのしなり戻りも中途半端なタイミングになり、クラブとシャフトの性能を活用した、勢い良くピンポン玉が飛んでいくような弾道にはなりません。
シャフトの蹴り出し(しなり戻りのジャストのタイミング)は、右腰が回転して戻ってくる時に、インパクトで押すようなタイミングで迎えると最適化されます。
この時に同時に感じるべきは、右腰をジャストのタイミングで押すわけですから、当然左腰は引っ張る動きになっていることに注目しましょう!
引っ張らないと正確に押すことはできません。
押すときには反対側が引っ張られる事を感じることで、正確な回転を行うことができ、慣れてきたらその回転を加速することができます。
強烈に飛ばす方法!ヘッドスピード最大化
左腰を引っ張る感覚が分かったら、左肩の引っ張りも感じるように何発か打ってみてください。飛ばし屋の左肩の動きを見ると、ものすごいスピードで引っ張られていることが分かります。
やってみると意外に簡単にできる事を感じてみてください。
参考の映像は女子プロで一番の飛ばし屋の神谷そらちゃんで、バックスイングが大きいので左肩を引いている動きが分かりやすいです。
2024年度の公式競技記録として平均飛距離260ヤードですが、これは競技用の狭く難しいコースでの話で、実際にはもっと飛ぶと思います。
左肩が強烈に引っ張られているということは、当然、左腰も引っ張られ、インパクトではジャストのタイミングで、当たり負けしないように、押すような動きになっています。
トップでは左肩が入り、ダウンではインパクトに向かってものすごいスピードでフィニッシュまで引っ張り続け、回転しています。
この動きが正確性と最大のヘッドスピードを生み出します。
スイングプレーンが生み出す、インパクトでのアタックアングルとしては、ダウンでシャローなスイングプレーンになり、長いインパクトを作り出す理想的な動きです。
まとめ
インパクトゾーンを長くすることは、ゴルフのショットをより安定させるために重要なポイントです。
- 適切な腰の捻転から始まり
- 両肩とグリップを結ぶ三角形の連動
- 肩がよく回って、常にグリップが身体の前にあることでクラブの重心管理を達成
の3つの要素を意識し、テークバックの練習を重ねることで、エネルギーが溜まり、ダウンスイングの準備が整って、そのままインパクトに繋なげていきます。
この地味な練習を続けていけば、だれでも最短でインパクトゾーンを長くすることができます。
最初はスロースイングから始め、感覚を養っていきましょう。
ゆっくりでも着実に習熟していけば、よく飛ぶストレートな理想のショットが打てるようになるはずです。